いわきのこれからの地域包括ケア 講演会

医療
目次 Table of Contents
1.概要
2.いわきの認知症の取り組みについて
3.いわきの医療/介護/地域包括ケアについて
4.関係者3名での座談会より
5.筆者からみた纏め
6.謝辞

1.概要

2024年3月1日(金) 13:30~
イオンモールいわき小名浜4階 イオンホール

福島県小規模多機能型居宅介護事業連絡会 主催

人口32万余人の街で展開される介護事業,その勉強・研修会
後日,YouTubeで配信予定だそうです.乞うご期待.


2.いわきの認知症の取り組みについて

まず,いわき市地域包括ケア推進課職員から

「いわきの認知症の取り組みについて」
というお話を伺えました.

最重要の目的は「共生社会の実現」

その一つとして2024年1月
「共生社会の実現を推進するための認知症基本法」
が施行されたのだと.

その実現の為の施策

  • オレンジカフェ以和貴(いわき)
  • つどいの場(シルバーリハビリ体操など)
  • なんでも話し合えるカフェ「つどい」(認知症の人と家族の会主催)
  • ものわすれ相談会
  • 認知症初期集中支援チーム
  • 認知症に関する医療機関・介護機関との連携
  • 認知症あんしんガイド
  • 認知症に関する相談先一覧
  • 認知症バリアフリーのまちづくり
  • ミーティングセンター「よもの会」
  • 認知症サポーター養成講座

これほど多くの施策を行っているのだそうです.

そして今回このブログを纏める際,下記文言を頂けました.ご紹介します.

今後認知症の方はますます増えていきますので、認知症をご本人と家族の問題にするのではなく、ご本人も家族も孤立しないよう、社会の問題として捉えて支えていくことが大切です。

そのため、ミーティングセンターやオレンジカフェのように、当事者同士が集い、交流する場など、身近な人とのつながりや自分らしくあるといった人としての尊厳を取り戻せる場を、これからも充実させていきたいと考えています。

認知症バリアフリーのまちというのは、まちのいろんなバリアを取り除いていこうというものです。バリアには、差別・偏見・無関心といった目に見えないバリアもあります。

いわきにはどんなバリアがあるのか、認知症の当事者の方から教えてもらいながら、地域にあるバリアを取り除いて、認知症の方の不便さ・暮らしづらさを一歩ずつ解消していきたいと思います。

地域包括ケアの中で、目の前の方のその人らしさを支えられるよう、認知症になっても住みよいいわきを、共につくっていきましょう!

以上です.文言に滲む演者のお気持ちが伝わって来ますね.


3.いわきの医療/介護/地域包括ケアについて

次に,いわき市地域医療課職員より

「いわきの医療/介護/地域包括ケアについて」

のご講演

先ず医療

いわき市の医師数は全国平均67%のみ

同じく    中核都市平均57%のみ

いわき市の医師年齢は全国平均より6歳も超過

今後高齢者に比して若年者,介護の担い手は減少
救急車利用のの頻度は相変わらず増加中

なのでさらなる医師の確保,増員に向けた施策として

  • 小中学生へ「いのちの授業」
  • 高校生へ「縫合体験&病院見学など」
  • 医大生へ「いわき地域医療セミナー」
  • 初期研修医へ「合同研修会&交流会」
  • 他,紙媒体による発信
  • WEBやSNSによる発信

に力を入れているところなのだそうです

次に地域包括ケア

71.7%の方は人生最期の場所に自宅を希望

しかしいわき市は,福島県内の他市に比し,著しく低い現状

そして

マザー・テレサ氏のことば
「たとえ、人生の99%が不幸であったとしても、最後のの1%が幸せならば、その人の人生は幸せなものに変わる」

は,演者の心の琴線に触れた言葉なのだそうです

せめて人生最期の1%に幸せを提供したい

課題は今生きている人に,死を考えて頂くことの困難さ
なのでいわき市の志ある者達の活動「igoku」

死を不幸なことでなく考えようという希有な活動
この活動,ことばでの説明はとっても難しいのです
ぜひ「igoku」の文字をクリックし,その世界感の体験を
そのボリューム,アイディアにはきっと驚かされることでしょう

そうはいっても自身のの生と死,振り返り,再確認し,誰かと語り合うにむずかしい現実のもどかしさ

そこで支援ツール「人生すごろく」を開発されたのだと

すごろくのルールを踏襲・応用し,進んだマスに応じ,自分史を語ってゆくスタイル
人生の終盤で改めて自身を知るゲーム
結果人生の最期までいかに生きるかを再発見

どうもこれから全国展開されそうな予感

さらにはSNSの掲示板でみんなを繋ぐ

「最期の1% サイゴノ1パー」

どうやら本音を話せる場
まだまだ厳しい現実を知る場
だからこそその課題を考える場
現実を話し,放し,離す場

どうでしょう,心に溜め込んで重くなった方.
軽くなる機会,試す価値があると思います.


4.関係者3名での座談会より

座談会陣容の3名

福島県小規模多機能型居宅介護事業連絡会 主催者
いわき市地域医療課職員
いわき市医師会小名浜支部 医師

註:私の記憶の限界により欠落した内容があること,ご容赦

人生最期の死する場.

自宅を希望する方は約7割から5割弱と揺れる心.
なれど自宅での最期をことさら勧める国や学会
むしろ病院での最期を望む3割から5割強の方へ,不思議に少ない対応.

他市より余りにも少ない医師数(再掲)

いわき市の医師数は全国平均の67%のみ
同じく    中核都市平均の57%のみ
いわき市の医師年齢は全国平均より6歳も超過

この少ない医師数で医療を行うため
病院は本来の機能,治療で社会復帰する場へ
死のために用意される場から生きるための場へ
どうしてもシフトしがち

病院での死を望んでいる半数近い方達にはか細い状況

これら問題は決していわき市特有ではなく
全国各地で同じ様な課題,解決できていない課題


5.筆者からみた纏め

人生最期の場に於いて,患者ご本人,ご家族の希望・期待

まだまだ,まだまだ対応出来ていない私達

理想に向かい全力を絞り出す関係者の熱意・努力
ただ,期待に添えなかった結果を反省しつつも

その「 経 過 」を重視し,評価したいのが私の想いです

そして熱い想いを持つ専門家群がいかに近隣に居るのか
このことをどうにかして皆さんにお伝えしたい

その結果

悩むべきは孤独な本人あるいは介護者では無く
地域包括ケアに関わるスタッフが全力で悩む案件かと
専門家が悩むべき

 

イラスト:明治安田総合研究所より

そう考えるのです

地域包括ケアシステムは鉢植えに喩えられます

そこで何を育てたいのか,どのような実を期待するのか,どのような花を咲かせるのか
考えること,考え続けること,考えを止めないこと
挫けないこと,諦めないこと,絶え間なく伝えること

そんな力強く,頼れる仲間がたくさんいる小名浜地区

福島県いわき市にあります


6.謝辞

末筆ではありますが,この度お話をさせて頂く機会を設けて頂いた,

一般社団法人 福島県小規模多機能型居宅介護事業連絡会
理事長 蓬田 隆子 様
顧問  森  重勝 様

ご両名には,多大なるお力添えを頂きましたこと,こころより感謝申し上げます.

 

以上,お読み頂きありがとうございます.もしこのブログより何かを得られたという方,「いいね」での評価を頂けたら,さらに嬉しく思います.ありがとうございました.

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