ファイルメーカープロ データ復旧顛末〜諦めなくて良かった〜

雑話
目次 〜Table of Contents〜
起 事件勃発
承 緊急即応
転 反転攻勢
結 完全終結

イラスト:全て「いらすとや」
その他の画像:画面キャプチャー


起 事件勃発

2024年5月18日(土)は 恐怖の事件 なった日

それは職場で起きた

20年数年近くも使い込んでいるMac用データベースソフト
クラリス社製 FileMaker Pro 私のは ver. 16.0.6.600

コツコツと更新を続けてきたデータファイル
容量約 440 MB のデータファイルが・・・

壊れた  (T_T) 否,壊した

原因は,追加したほんの数行のスクリプト(一連の処理手順を記述したもの)
普段使いの画面に,残り時間を示すタイマーをただ表示したかっただけ

でも,これが  最悪な状況の幕開け・・・ 

承 緊急即応

18日(土)職場 直ぐさま「対策①」 「修復」コマンド

兎にも角にも,先ずは FileMaker Pro 起動

メニューバー「ファイル」から最終段「修復」コマンドを選択
さっそく試みたデータファイルの修復

なれど,何度も繰り返したのに 諦めず試したのに

開けようとする度に
「スクリプトが見つかりません。削除された可能性があります。」

挙げ句
「ファイルは壊れているため、開くことができません。[修復]コマンドを使用してファイルを修復してください。」

何度も読まされ少々うんざり
少しは落ち込んだけど,そこそこ慣れてるから平気

18日(土)帰宅後 余裕で「対策②」 Time Machine

Mac に附属の Time Machine という機能
私は外付け HDD 2 TB に定期的に自動バックアップ

その頻度は
過去 24 時間は 1 時間毎,1 ヶ月間は 1 日毎

書斎での,少々鼻歌交じりでの復旧作業
慣れてるので特段の迷いも無く始まる作業

??? おかしい,何かがおかしい

OS上では復旧するのに結果は同じ,壊れたままで開かない
ヤバイ,ちょっとヤバイ,マジでヤバイ

何の為の自動バックアップ 何の為の定期バックアップ
進まぬ理解 膨らむ不安 揺らぐ自信

一方,毎日の仕事でデータだけは増殖
なので復旧に時間をかけたくはないのが本音

19日(日)午後 そこで「対策③」 状況証拠の保存

復旧の過程で表示される,多くの画面のキャプチャ

言葉や文字での説明が難しい状況の視覚的保存
伝えにくいことを伝える為の準備 心も準備

そして顛末を簡単に整理,記録

19日(日)午後 続けて「対策④」 カスタマサポート

ClarisPKB

Claris FileMaker のサポートオプション から「電話窓口」の中の

「窓口の連絡先については、こちらをご参照ください。」

整理した状況を 懇願 の形で送信フォームに入力,送信

20 日(月)翌日に爆速で頂けた返信

けれど,とっくに終了していたサポート期間
なのでお返事も月並み,当たり障りの無いのアドバイス

結果ほ,頼れなかったカスタマサポート.とほほ

5月下旬 もはや「対策⑤」 修復断念・データ再入力

完全に白旗,背に腹はかえられず損失データの部分復旧開始

ただ幸いにも今年の2月2日にしてたフルバックアップ
フルバックアップした理由は思い出せねど

これは嬉しい悲鳴.約4か月分で済む復旧量,フーッ

6月5日(水)職場 「対策⑥」 もがき  

時間を見つけては少しずつ進める復旧作業
けどなんとなく諦めきれず,またネット検索

そこで見つけたデータ復旧ソフト
その名も EaseUS Data Recovery Wizard Free

期待出来そう しかも無料!
おそるおそるダウンロード こわごわインストール
でも実際の設定や操作は直感的で,とてもユーザーフレンドリー

ただこのソフト,本来の機能は消失データの復旧
なので消失していないけど開けない,そんなファイルは対象外

やはり出る溜息・・・とほほ


転 反転攻勢

6月5日(水)夜 書斎 「対策⑦」 あがき

やはり諦めきれず繰り返す検索
すると目についた紫色の結果

「FileMaker Pro ファイルの修復について」のページ

FileMaker Pro 16 ヘルプ

たしか以前にも眼を通したページ
けれどよくよく読んだら,次の一文

『問題が深刻な場合は、データを元のデータベースのクローン(データなしのコピー)にインポートしてください。』

クローン? インポート?
もしや開かずとも,データの抽出だけなら可能?

早速クローンの作成

  1. 残っていた2月のフルバックアップファイルのコピー作製,名をクローンに変更
  2. メニューバー「レコード」から7段目「全レコードを表示」コマンドを選択
  3. 次にメニューバー「レコード」から4段目「全レコード削除」コマンドを選択
  4. 最後にフローティングメニューの「全てを削除」コマンドを選択

これでデータゼロのクローン,数秒で完成

  1. お次はメニューバー「ファイル」下から6段目「レコードのインポート」コマンドを選択
  2. サブメニューで「ファイル」を選択
  3. ここであの壊れたデータファイルを選択し右下の「開く」コマンド
  4. フローティングメニューは「フィールドデータのインポート順」
  5. 中央みぎ側の配置順は「照合名順」
  6. 中央ひだり側のインポート方法は「新規レコードとして追加」をセレクト
  7. そしていよいよみぎ下隅の「インポート」を期待を込めてクリック

さあ!と思ったらまたもやフローティングメニュー
思わず抜ける力

  1. でも気を取り直し「インポートオプション」
  2. 「インポート中、入力値の自動化オプションを実行」にチェック
  3. その下は「元のレコードの設定を維持する」のまま
  4. 今度こそはと「インポート」を再クリック

おおおおお! 感動,みるみる吸い込まれて来るデータ

2005年3月にデータベースを作製・運用してきたので,丸20年
無事サルベージ完了! 直後にはもちろんの 祝杯!

6月5日(水) ようやく胸を撫で下ろした夜
諦めなくて,良かった〜\(^O^)/


結 完全終結

さて復旧できたデータベースのレコード数を確認

主データのレコード数     355 件 復旧
(総レコード数 約30,500件)
副データのレコード数  1,394 件 復旧
(総レコード数 約17,200件)

損失データの再入力など,端から無理だった分量

と,ここで不思議な現象,それは容量の膨化

修復前 約440MB
それが 約529MB へと増加

なんとおよそ90MB,20%ほどの肥大化
残念ながらネット検索では全く見つけられなかった原因
どうでしょう,ご存じの方はいらっしゃいます?

ただし,ファイルを開き
1.メニューバー「ファイル」の下から2番目「名前を付けて保存…」コマンドを選択
2.フローティングメニュー中央やや下部の「メニュー」で「最適化コピー(サイズ小)」をセレクトし「保存」

するとなんと約396MBへと,133MB,25%ものスリム化に成功

これで18日間に渡ったデータの復旧に幕!

以上,なかなか長々な文面となってしまいました.それでも

貴重なデータの,もしくは大量のデータ損失にお困りの方

そのような方々への救いになれば
たったの1人でもお役に立つのなら,との想い

それがこの長文の力となりました

同時に,お役に立つ方が居ないも一番
困っていない状況が一番,これが最高ですね

 

最後に,久しぶりではありましたが,この度も最後までお読み頂きありがとうございます
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