謹賀新年．術後の安楽を広く知って頂こうと，年頭所感【もしも手術を受けるなら】を始めて早10年．手術後，痛みや吐き気，膀胱違和感，不眠などの苦痛を少しでも無くし，皆さんが安心して手術に臨めるよう，最大限の努力を重ねています．一連の工夫を纏めて「ヒコーキ麻酔」と名付け．嬉しい笑顔を頂けるべく日々バージョンアップに励みます．
目次 Table of Contents
１．謹賀新年
２．もしも手術を・・・
３．手術後の無苦痛
４．過去と御縁
５．ヒコーキ麻酔
１．謹賀新年
新年明けましておめでとうございます
旧年も大変にお世話になり，誠にありがとうございました
皆様が健康で楽しく，多くの笑顔で満たされますことをお祈りいたします
本年もどうぞよろしくお願い申し上げます
さて，2016年1月6日より毎年続けている年頭所感
手術を受けられるあなたや，ご家族へ向けての想い
今年でなんと10回目，つまり10年目となりました
２．もしも手術を・・・
では今年も
【 もしも手術を受けるなら 】
創は痛まず 我慢せず
苦しむ事無く 夜（よ）は眠れ
手術も判らず 朝来たる
気分は優れ 茶が旨く
ナースの問いに 笑（えみ）返し
家族の話しに 安堵する
友の見舞いに 目を細め
退屈しのぎに 書を開き
帰宅の風呂に 胸焦がす帰宅の酒に 胸焦がす
(2020/5/21 編集）
苦痛の恐怖 無きならば
万が一 万が一
二度目の手術も 怖れ憶えず
３．手術後の無苦痛
今年もこうしてお伝えできることをとても嬉しく思います
けれど手術後
創の痛み 吐き気
膀胱の管の強烈な違和感
朝まで明るい病室 モニターの煩いアラーム
そして遅い朝
これらの経験を，未だに多くの方が語られます
これをどうにかしたくて工夫の繰り返し
結果，翌朝に満面の笑みで
「全然痛くなかったんです！」
とか
「最高でした！」
とか云って頂けたりしています
ここには勿論 創の痛み無く 吐き気無く
膀胱の管の強烈な違和感も無く
その結果ゆっくり眠れ
明るい病室も モニターの煩いアラームも
そして遅い朝も知らず
理想的な朝が来たことを意味します
そうそう，手術後の酸素も必要最低限
喉の渇きにも配慮しているんですよ
時に同業者より
「どうしてそこまで？」
と疑問を投げられることも・・・
けどいいのいいの
好きでやってる事だから
４．過去と御縁
前回の誕生日
再度届いた嬉しいメッセージ
手術前日のお子さん，そのベッド脇
しゃがみ，揃える目線
笑顔でもって取り払いたい恐怖
語りかけはゆっくり優しく
そんな事 出来たようなんです
同時に，保護者の不安も減らせた・・・かな
実はその少し前のこと
その保護者の方の手術，麻酔は私
そんな過去も不安除去に一役・・・かも
平成初期に偶然生まれた御縁
今も続く有り難い御縁 感謝
仮にまた手術が選択された際
お役に立てられれば本懐
５．ヒコーキ麻酔
はて，では私が行う麻酔はどこを変えているのか
新春，新たなブログで皆さんにお伝えする予定
それを私は「ヒコーキ麻酔」と命名してることはここでお伝え
ざっくり書いてみちゃうと
離陸が判らぬようゆっくりと時間をかけた滑走
着陸は丁寧なランディングで，衝撃も最小
なので麻酔で眠るのも，麻酔から目覚めるのもいつの間にか
気付けば翌朝，手術は既に過去
病棟へ帰室直後，家族と話せた記憶はある
なので家族は安心して帰宅できたに違いない
けど，何を話したかまでの記憶は希薄
そもそも，どうして痛くはないのだろう
てか，今日は何曜日？
１日抜けていると看護師さんに教わった
ケータイを見たらほんとにそうだった
あの不安は何？ 緊張だけして損した気分
手術が決まってからいろいろ検索した
なのにそのどれも結局，要らなかった
だってよく眠られたし，点滴の針も憶えが無い
手術室に入ったのはなんとなく判る
でも痛いと脅された背中の注射が判らない
仲の良い友達ほど，笑いながら怖いことを云う
それに釣られ，膨らんだだけの心配
けれどそれも今日で終わり，後は回復に向かうだけ
それとね，見舞いでおかしな事云わないで
まだ創はフレッシュ，笑えばまだ痛むのだから
苦痛の無い術後はそれだけで安心感
家族に，友達に，そして自分自身に
そのため今年も歩を緩ませず，毎日が勉強と工夫
「どうしてそこまで？」
だって，『笑顔』という報酬をタダで頂けるのだもの
この度も最後までお読み頂きありがとうございます．
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